佐々木田鶴子 訳 出久根育 絵 岩波書店
やわらかい、丁寧な文章のグリム童話集です。入っている挿絵も、やわらかい雰囲気で、文章によく合っていると思います。
グリム童話は、厳しい状況にあっても、正しい良い心を持つことで、試練を乗り越えられ幸せになれるということを教えてくれるような気がします。生きていく術のようなものを教えられるような気がします。読むたびに、心に残る言葉を見つけられるので、何度も読んで楽しむことができます。
「白雪姫」の話が好きです。挿絵や文章から、白雪姫の美しさを感じることができます。簡潔な文章なのに、お話の中のいろいろな場面を想像できるのです。白雪姫が、七人の小人たちと過ごしていた時間は楽しそうだなと思いました。
本の最後にはそれぞれのお話について解説がついています。ドイツの文化やお話に出てくる場所や道具、再話のエピソードなども知ることができます。